言葉

友達に電話越しに泣かれたけれど、ぼくにはその鮮やかな感情がうらやましかった

境界性人格障害と何もない日々

エントリのタイトルに境界性人格障害の話って書いたけど、実際のところぼくの今の症状はボダの診断基準を満たないくらいには軽快していると思う。一年前なんかはすごくて、自殺未遂して救命病棟に搬送されて胃洗浄されて「しにてー」「明日2限出れないから…

髪を染めました

ここ1年近く髪の色を本当に好きなようにいじくりまわしてきた、アッシュグレーやベタな金髪からネイビーまでやりたい色は全部やった。 何で髪を染めようと思ったのか分からない。ぼくは地毛が一番似合うことを知っていたのに。 今しか出来ないかもしれない…

コインロッカーベイビーズ

そうだ何一つ変わっていない、俺達がコインロッカーで叫び声をあげたときから何も変わってはいない、巨大なコインロッカー、中にプールと動物園のある、愛玩用の小動物と裸の人間達と楽団、美術館や映写幕や精神病院が用意された巨大なコインロッカーに俺達…

諦観

何を書けばいいのか分からないのに何か書きたくてでも何を書けばいいのか分からないから何を書けばいいのか分からない。 右手の中指に小さな切り傷がふたつ出来ている。何時間か前に代々木公園で無理矢理ビールの瓶を開けようとして出来た傷だ。ぼくが上手…

保健室

高校二年生から三年生にかけて付き合っていた女の子がいた。とても綺麗で整った顔立ちをした子だったが、彼女の顔で最も特徴的なのは目だった。なんと形容すればいいのか、元気で、芯があり、優しさがあり…そんな彼女の内面が伝わってくるそれは対の黒い宝…

第20回文学フリマ東京

文フリに出ないか、という話をもらったのは昨年の11月末のことだった。突然浮遊感からスカイプがかかってきて、誘われた。綿と2人で話を進めているということで、興味を持ったぼくは快諾した。短編を書けばいいということで、まあ難しくはないだろうと思っ…

インドについての拙稿

帰国して3週間ほどが経ち、大学もはじまった。諸事情により貯金もせねばならず、忙しいことこの上ない。 帰国して3週間経った今でも、毎日インドのことを考える。インドには独特の“匂い”がある。牛糞をはじめとした汚物、排気ガス、動物などなどが集まった…

無題

たばこに火をつけて、ひとくち吸うと、ぼくは黒くて丸い灰皿のふちにたばこを置いた。 無風の室内でたばこの煙は白い線のようにまっすぐ上に昇っていった。それはなんだかとても美しい光景のように見えて、ぼくは出来るだけ息を立てないようにそれを見てい…

2014年10月26日と瞬間と処世術の話

ある種の処世術として、自分の命を自分のものだと思わないことにした。自分の人生を自分で背負えるほどぼくは強い人間ではないから。自分の人生を楽しむことが出来ないから。この生き方を捨てたらぼくはたちまち死んでしまう。 忘れもしない2014年10月26日…

ノルウェイの森とニューヨークと1年の話

時々自分がどこに居るのか分からなくなる。自室のベッドで、四条河原町の交差点で、下北沢の商店街で、ハイドパークの木の下で。 本棚から村上春樹のノルウェイの森を取り出して、最後の数ページをぺらぺらとめくってみる。ぼくは村上春樹の小説はほとんど…